1985年3月D日

ここパースはちょっと日本では考えられないような気候の町だ。着いてから毎日最高気温が35から37℃くらいの日が続いているが、ホームステイ先の家でも学校でも特にエアコンは不要。というのもこの町では湿度が大変低く、外でも汗はそれほどかかず、木陰に入ると身体がヒンヤリするほどだ。
空は日本の晩秋の深く高い青空にさらに藍色を加えた色で、またその吸い込まれるようなクリアさと高さはこれまでに訪れたすべての町とは全く異なっている。
地中海性気候という気候区分に属するこの町と同じような気候は、文字通り地中海沿岸地域、そしてアメリカのカリフォルニア州などらしい。
ギリシャからの移民がこのパースも自分の住んでた町もほぼ同じような気候だと言っていた。
パースの日本人の間では「兼高かおる世界の旅」というテレビ番組で有名な兼高かおるさんが、世界で一番住みたい町はどこと訊かれて、パースと答えたということが有名だ。
この町の落ち着いた佇まいや気候、穏やかな人たちを毎日目にしていると、まだ世界をそれほど見たことがないオレだが、何となくわかるような気がする。