A-02 英語学校 ちょっと幼稚な授業、変わった発音

1985年3月B日

学校,先生,生徒,クラス

 現在、英語学校に通っている。午前9時30分始まりで、午後3時終業という時間割を土、日休みで4週間通うことになっている。先生5、6人、生徒数20数人のこじんまりした私設の学校だ。
 自分はワーキングホリデイのビザを取ってこの国へ入国したわけだが、知らない土地で、着いたその時から仕事を始めるなんて、とうていできるはずもなく、最初の数週間の生活のペースメーカーとして、日本で入学の手続きをしてここへ通い始めたのであった。
 日本を出る前、ある程度は会話のための勉強はしてきた。また昨年、アメリカを2週間たった一人で、気の向くまま自由に旅して回った経験もあって、幾分かの英会話に対する自信はあった。それゆえ、はっきりいって、いまのこの学校の授業の内容は27才を間近に控えた自分にとって、あまりにも幼稚な感じのものが多い。
 いま一つ気分がノッてこないが、まあこれもひと月だけ。この国でのこの先一年の生活の助走路としてステディにやっていこうと思う。
 しかし、この国の人々の英語はわかりにくい。パースに来る前シンガポールに3泊した際、ハワイ生まれの中国系アメリカ人と親しくなり、彼と何不自由なく対話していたことを思うと、やはりこの国の英語は、いやパースの英語は、日本で慣れ親しんできた英語とは少し違っているようだ。
 この町に着いたその日、空港からタクシーでホテルを捜して回ったが、そのタクシーの運転手がいったい何をしゃべっているのかほとんどわからなかったことを思いだす。ナアニ、すぐに慣れるさ、とたかをくくってはいたものの、いや、なかなかコトはそれほど簡単ではなさそうだ。
 そしてこの先しばらくこのオーストラリア英語に、オレはさんざん悩まされることになる。”

<前のページ><次のページ>

 

タイトルとURLをコピーしました